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卒業シーズン

  • 執筆者の写真: 青い彗星のあお
    青い彗星のあお
  • 2024年2月27日
  • 読了時間: 2分

卒業シーズンになりましたね。




僕の職場では、学生さんが学校を卒業と共にアルバイトも卒業しました。


ささやかな送別会を催して、門出をお祝いをしました。




前日から秘密裏に手分けをして折り紙で花飾りを作って持ち寄り、


当日は長い輪飾りを編み、職場の壁を装飾しました。




お菓子と可愛いブーケも用意しました。


飾りに統一感はなく、オシャレさには欠けるものでしたが、


その幼稚さと、アンバランスさが「いい歳」をした大人たちを無邪気にしました。




会の主役である学生さんを半分サプライズ的に部屋に招くと、


「おめでとう」の声と拍手が四方からあびせられました。




学生さんは、急な注目と大人たちの異様なテンションに当惑した様子でした。


状況把握のための短い余白があった後、


口に手を当てて「ありがとうございます。」と____。




ふるさとを離れ一人暮らしをしながら、学業に励んでいた彼女たちにとって、


アルバイト先はひとつの大事な居場所で、家のように感じていたのだと思います。




僕が任された開会のあいさつはややスベリ気味。


輪飾りのデザインが紐に干されてるパンティみたいですね、


と言ってひんしゅくをかいました。




会は和やかに進行し、学生さんを激励して、おひらきになりました。


祭りのあとはさみしい。


送る側、送られる側。




部屋の装飾を取り外す過程では、無常感が去来します。


物理の法則に従って、やがて離れていって、別のものに変わっていって。


それでいいし、それがいい。




意味なんてなかったのかな。


何も残らない。


二度と訪れないと_____。





でも、大丈夫。





レースのパンティみたいな輪飾りは、


僕の脳裏に刻まれて永遠となるでしょう。




卒業おめでとう。

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