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丸出しで感謝 その①


人は基本的に不満にさいなまれている。




ムキーッ!!


あれが悪い、それはイヤだ、これがない!!



も~!!


政府が悪い、時代が悪い!!



果ては、


あの人嫌い、こんなワタシもイヤだ!!




という具合だ。




************



僕は中国に住んでいた。




留学と、後には仕事をするためだった。



中国は広い。最初は田舎に住んだ。




北京、上海、深センのような大規模都市にも居住したり、訪れたことがあるので、どこを切り取って「中国」とするかは別の議論がある。




それはさておき、初めて居住したのは、東北に位置する吉林省の辺鄙な地域だった。




初めて地方空港に降り立った時、緊張と不安でいっぱいだった。




タクシーに乗った。



中国語もしゃべれないし、相場もわからない。そして、どうやら料金メーターには電源が入っていない。くっ…ウワサ通り。でもガイジンの僕は、交渉しなければボッたくられるということは知っていた。




ダマされないゾッ!!




会計時、運転手は500元と言ってきた。




僕は、はは~ん、実際は大体250元の料金だな。と半値を予想。




僕は、150元を財布から取り出して運転手に強めに差し出した。




毅然とした日本男児の表情だ(自分的に)。




運転手は、手を左右に振り、明らかに不服そうな顔をしている。




コングが打ち鳴らされた。




だが、150元あげる!


いや、500元言うとるやろ!


だが、しかし150ッッ!!


いやいや、500!!


まてまて、150!!


おいおい、500!!




攻防を繰り返した。


(この攻防の末、300元くらいに収まればいいなという算段だった)




コントをひとしきり終え、僕はしょうがないなぁ、とわざとらしくため息をつき、200元を手に取った。




ついでにチップだよと、20元足して合計220元を運転手に手渡した。




運転手はクシャっとした紙幣を受け取ってくれた。




僕は、双方納得できる妥当な金額になったと感じ、安堵した。




最後はお互い笑顔で、その場を後にした。




よし!!


ダマされなかったし、何なら完全勝利した。


やるぢゃんオレ!!レペゼン・ジャパン!!





後に判明するのだが、


僕がタクシー利用した距離は






本来30元で移動できた。







つづく


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