
人は基本的に不満にさいなまれている。
ムキーッ!!
あれが悪い、それはイヤだ、これがない!!
も~!!
政府が悪い、時代が悪い!!
果ては、
あの人嫌い、こんなワタシもイヤだ!!
という具合だ。
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僕は中国に住んでいた。
留学と、後には仕事をするためだった。
中国は広い。最初は田舎に住んだ。
北京、上海、深センのような大規模都市にも居住したり、訪れたことがあるので、どこを切り取って「中国」とするかは別の議論がある。
それはさておき、初めて居住したのは、東北に位置する吉林省の辺鄙な地域だった。
初めて地方空港に降り立った時、緊張と不安でいっぱいだった。
タクシーに乗った。
中国語もしゃべれないし、相場もわからない。そして、どうやら料金メーターには電源が入っていない。くっ…ウワサ通り。でもガイジンの僕は、交渉しなければボッたくられるということは知っていた。
ダマされないゾッ!!
会計時、運転手は500元と言ってきた。
僕は、はは~ん、実際は大体250元の料金だな。と半値を予想。
僕は、150元を財布から取り出して運転手に強めに差し出した。
毅然とした日本男児の表情だ(自分的に)。
運転手は、手を左右に振り、明らかに不服そうな顔をしている。
コングが打ち鳴らされた。
だが、150元あげる!
いや、500元言うとるやろ!
だが、しかし150ッッ!!
いやいや、500!!
まてまて、150!!
おいおい、500!!
攻防を繰り返した。
(この攻防の末、300元くらいに収まればいいなという算段だった)
コントをひとしきり終え、僕はしょうがないなぁ、とわざとらしくため息をつき、200元を手に取った。
ついでにチップだよと、20元足して合計220元を運転手に手渡した。
運転手はクシャっとした紙幣を受け取ってくれた。
僕は、双方納得できる妥当な金額になったと感じ、安堵した。
最後はお互い笑顔で、その場を後にした。
よし!!
ダマされなかったし、何なら完全勝利した。
やるぢゃんオレ!!レペゼン・ジャパン!!
後に判明するのだが、
僕がタクシー利用した距離は
本来30元で移動できた。
つづく