ちいさな勇気
- 青い彗星のあお
- 2024年7月27日
- 読了時間: 2分

僕はセラピストとして活動していますが、
もう一つの顔としては、ホテルで働いています。
先日僕は、片手に荷物、片手に資料を持って館内を歩いていました。
資料を見ながら目的地に向けて早歩きをしていました。
すると
「あの……」
足もとから声が聞こえて、ハッと立ち止まりました。
小さな女の子が僕に声をかけてくれたようです。
「どうしたの?」しゃがみ込んで目線の高さを合わせ「何か困ってる?」と続けました。
(5、6歳くらいか)
「トイレどこ…ですか?」彼女はたどたどしくも敬語で問いかけてくれました。
「ああ、トイレはまっすぐ行って右にあるよ」指をさしました。
同時に、辺りを見回して保護者の存在を確認しました。
(いないな)
女の子は、僕が示した方向に歩き始めました。
(トイレまでついて行ってあげようか…いや。)
たよりない背中を見ていると、
彼女は「あ」と立ち止まり、振り返り、僕にお辞儀をしてくれました。
僕は、マスク越しでも笑っていることがわかるように目じりと口角を思い切りくずしました。
僕は荷物を持ちなおし、さて、仕事に戻らんとしました。
その時、視線…否、独特の気配に気づきました。
(きっとお母さんだな)
周辺視野でその存在を捉えながら、
僕は心の中で会釈して去りました。
ちょっとした勇気から、ひとりで歩き、ひとりで尋ね、
みんなそうやって、大きくなって。
大人になると「シッタカブリ」が多くなり_____。
ちいさな勇気から新しいことに一歩踏み出したいなと内省するのでした。
あお