
あなたは「暗記」が得意ですか?
ほとんどの方は、暗記に悪戦苦闘した思い出があると思います。
学校の勉強はもちろん、社会に出てからも専門用語、
雑談のための一般常識に至るまで
頭に叩き込まなければならないことはタクサン。
____世界史の人名を思い出していただきたい。
特に古代ギリシャ、中世ヨーロッパあたりの人名。
難読カタカナのオンパレードです。
世界史が好きな人以外はちょっとウンザリ。
レオ3世、グレゴリウス7世、ウルバヌス2世、インノケンティウス3世、ボニファティウス8世…
いや、何世とかもういいよ!!
(知ってるのルパンだけ)
ディオクレティアヌス、コンスタンティヌス、インノケンティウス、オクタウィアヌス、マルクス・アウレリウス…
いや、ヌスとウス多め!!
(和名でいうところの○○太郎みたいなかんじ??)
とても、覚えきれません…
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さて、一方で、
私たちは好きな映画や小説、ゲームの登場人物のことはいつまでも仔細に覚えているものです。
また、何かのきっかけでふいに思い出されたりします。
不思議ですね。
なるほど、どうやら…
人は、”記号”や”単語”それ単体だけを記憶することはあまり得意ではないのですね。
それよりも「ストーリー」を記憶しやすいのです。
ストーリーとは、背景(過去)と現在を繋ぐタイムライン全体のことです。
歴史教科を例に出しましたが、教科書を眺めるよりも、
ドキュメンタリーや大河ドラマなどを見ると、
一気にその時代の全体像が記憶に残るという経験をした方もいると思います。
また先人は、時代を貫く教訓を、神話、寓話(童話、昔ばなし)にして伝承してきました。
「絶対忘れてはならない!」とメッセージのパッケージングを試みた結果、物語になりました。
例えば「怠けてはいかんよ!」と口うるさくいうよりは「蟻とキリギリス」や「ウサギと亀」の話しをした方が教訓を忘れないですし、思い出しやすいという要領です。
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_____話しはやや転じます。
人が死ぬのは一度ではないという。
度々引用されている言い回しがあります。
(※作詞家やエッセイストとして活躍した永六輔氏が発した言である説が有力)
一度目は心臓が止まった時
二度目は埋葬や火葬をされた時
三度目は人々がその人のことを忘れてしまった時
◆リメンバー・ミー (2017年)アンクリッチ監督談
忘れられるのって死んでるのと同じよね
本当に死ぬのもこわいけど 忘れられるのもおそろしい
◆ヘルタースケルター(1995年)りりこ
「よう…人はいつ死ぬと思う?
心臓をピストルで撃ち抜かれた時? 違う
不治の病に侵された時? 違う
猛毒キノコのスープを飲んだ時? 違う
人に、忘れられた時さ」
◆ワンピース (16巻)Dr.ヒルルク
翻って「生きること」とは_____。
自らストーリーを紡ぎ、誰かのストーリーの中に留まることができるか。
ということとは言えないでしょうか。
「あの日 あの時 あの場所で きみに会えなかったら
僕らは いつまでも 見知らぬ二人のまま」(小田和正)
舞台、書割、照明の下、
あなたは如何に舞うか。
へい、マスタァァー
とびきりのスコッチをください。
ロックで。
あお